2019年3月26日火曜日

配電網とガス配管網を公営化する

 ぼくはエネルギー選択宣言の第2章において、市民が発電する電源をより自由に選択できるようにする上で、配電網が重要だと指摘しました。

 地域の電力供給を再生可能エネルギー化するためには、営利目的ではなく、配電網により中立性をもたせることが大切になります。それが、再生可能エネルギー化の基盤になります。最終消費者に一番近い配電網会社が積極的に再生可能エネルギーで発電された電力を買い取れば、住民がより自由にグリーン電力を購入しやすくなるからです。

 今後自宅の屋根にソーラーパネルを設置して、自家発電、自家消費が進んできます。そのため、配電網の重要性がますます増大します。

 再生可能エネルギーでは電気ばかりでなく、熱と動力燃料(たとえば電気)の供給も行うので、それぞれの分野が連携することが大切です。そのためには、配電網ばかりでなく、ガス配管網も一緒に運用するほうがより効果的になります。

 配電網とガス配管網は、関連設備も含めエネルギー供給(電力供給ではないことに注意)のライフラインとして、一つのものとして見なすべきだと思います。

 エネルギー供給は今後、よりデジタル化されます。そのため、情報通信設備も配管網とガス配管網になくてならない重要なインフラです。

 そして、このライフラインを非営利化することが、ぼくは将来社会の大前提だと思っています。

 一般道路には、使用料は支払いません。それと同じで、配管網とガス配管網は生活になくてはならないインフラです。道路と同じように、公共のものとして整備されるべきです。

 ドイツでは、都市を含め地域単位でエネルギー供給が公営化されていました。日本でも知られるようになった自治体電力公社シュタットヴェルケが最終消費者に一番近いところで発電と配電、小売を行っていました。それが、自治体の財政難などで90年代に民営化されていきます。同じように、水道公社も民営化されていきました。

 しかしドイツでは現在、これら民営化されたライフラインを買い戻して、再公営化する動きが出てきています。

 ドイツの大都市であるハンブルクやシュツットガルトでは、配電網とガス配管網の公営化がすでに行われています。いずれも住民投票で、配電網を再公営化ないし市民自治化することに住民が賛成したからでした。

 ドイツの首都ベルリンでは2012年、ガス配管網と配電網を所有して運用するため、ベルリン・エネルギー社が設置されました。住民のイニシアチブによって、2013年11月に配電網を再公営化するための住民投票が行われました。でも住民投票では、再公営化支持に求められるだけの有権者の25%の票を集めることができませんでした。

 しかしベルリン市は、再公営化支持票が有権者の24.1%と、必要な票をわずかに下回ったことから、再公営化に動きます。

 すでに、ガス配管網の再公営化は終えました。現在、配電網を買い戻すことでベルリンの配電網を保持するドイツ第3位の大手電力会社ファッテンファル(スウェーデンVattenfall社の子会社)と交渉しています。配電網を買い取るためのオファーは、すでに提示されています。

 ベルリン・エネルギー社のネルトナー社長によると、今年2019年中に交渉を終え、配電網は再公営化されるとしています。

まさお

関連サイト:ベルリン・エネルギー社(Berlin Energie)

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