2019年1月20日日曜日

日立が英国の原発建設から撤退しても。。。

 日本の日立が英国での原発建設計画を凍結して、英国での原発建設から撤退することが決定されました。

 元々、原発建設にはたいへん大きなリスクが伴います。建設に莫大な投資が必要だし、減価償却にも約30年かかります。建設が遅れるのは当たり前で、建設遅延でまた莫大なコストが発生します。

 この資金上のリスクを民間企業だけで、それも発電ビジネスだけで負うのは、無理だといわなければなりません。原発建設を実現するには、これまでもそうだったように、政府が全面的に資金支援しない限り不可能です。

 再生可能エネルギーの普及でさらに、これまでの既存の大型設備による発電方法では競争力がないことも明らかになっています。ドイツでもうそうなっているように、発電だけではもうビジネスはできません。

 今世界の原発建設がこういう状態に陥っていることも把握しないで、日本政府は東電の福島第一原発事故後に、原発輸出を国の成長戦略としました。まったく無責任で、盲滅法な判断だったといわざるを得ません。

 ぼく自身、日本のプラント建設会社の国外現場で働いていたことがあります。その経験から、日本企業が国外経験なくして、いきなり国外で化学プラント建設を行うのは無理なことを知っています。ましてや、原発建設はもっと複雑で、たいへんです。国外で原発を建設したことのない日本の原子力産業に、そんなことができるはずがありません。

 まともな経済感覚があれば、ぼくは原発輸出は無理だと、いずれ手を引かざるを得なくなるだろうと思っていました。その通り、日本の原発輸出の話はすべてなくなってしまいました。

 でも、これで終わりではありません。

 たとえば今回問題となった英国では、たくさんの原発が高経年化しています。早急に新しい発電所を必要としています。原発を建設するには、政府や原子力産業は10年かからないといいますが、ぼくが見てきた限り、20年近くかかります。

 その間、電力をどう安定供給するのでしょうか。

 その割には、英国のエネルギー政策はのん気で、どうしたいのかよくわかりません。何とかなるさという気分でいるのは、BREXIT(EU離脱)と通じるものがあります。政治的には無責任ですが、それが現実なのかと思います。

 でも、電力はそれではすみません。その結果は、ブラックアウトです。

 それを回避するための代案は、既存の老朽化した原発を延命させることです。これは、リクスの大きい賭けです。他に何も準備をしていないので、そうならざるを得ないのかと心配になります。

 でも、そのための安全対策はしてあるかな。それも、心配の種。

 世界ではすでにその傾向がありますが、核燃料のウラン濃縮率を引き上げるほか、燃料交換の間隔を引き延ばすことも、さらに強化されていくのではないかと心配です。

 たとえ日本の原子力産業が撤退しても、原子力発電は終わりません。

 ロシアや中国、韓国の原子力産業が手ぐすねを引いて、原発を建設できるチャンスをねらっています。中国はすでに、フランス電力大手のEDFと連合して英国で原発を建設します。この英仏連合が日立の撤退で、英国でその立場をより強化することも予想されます。

 こうして見ると、日本の日立が原発建設から撤退しても、大きな変化がないどころか、原発がより危険になることが心配されます。

 この流れを変えるには、ドイツのように再生可能エネルギーに転換する以外にないと思います。それを世界に広げていくしかありません。

 そのほうがより早く発電設備を設置できるし、温暖化対策にもなります。

まさお

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