2018年6月18日月曜日

エネルギー相談室は何をするのか?

 ブログでは前回、各地にエネルギー相談室を設置すべきだと書きました。

 それでは、エネルギー相談室は具体的にどういうことをするのでしょうか?

 個人向けには、たとえばソーラーパネルを設置する場合の相談窓口になります。

⁃ 屋根の強度の問題
⁃ ソーラーパネルの種類
⁃ だいたい必要な予算
⁃ 助成金をもらえる条件
⁃ 固定価格買い取り制度で発電した電気を電力会社に買い取ってもらう条件や手続き

などについて情報を提供します。

 また、その他、ソーラー温水器を設置する場合、蓄電池も一緒に装備したい場合にもアドバイスします。また、住宅の断熱効果を上げるためのアドバイス、さらには家庭で省エネする可能性についてもアドバイスします。

 中小企業の場合たとえば、

⁃ ソーラーパネルをつける場合に助成金をもらえる可能性があるのかどうか、
⁃ 企業内で省エネを実現するためにはどうすべきなのか

などについてアドバイスします。

 また、再生可能エネルギーや省エネに関して情報提供するほか、再生可能
エネルギー化、省エネ化を推進するインセンティブを与えるために、ワークショップやセミナーなども開催します。

 こうして、各地域においてエネルギーに関する意識を高めていくのもたいへん大切な課題です。

 こうしたことが、エネルギー相談室が行うべき事例だと思います。

まさお

2018年6月13日水曜日

再生可能エネルギーで発電された電気は、信用できるのか?

再生可能エネルギーQ&A

 電力会社の帳簿上で区別するといっても、電気が再生可能エネルギーで発電されたことはどうしてわかるのでしょうか。それがはっきりしないと、消費者として信用できません。

 たとえば大規模水力発電は自然エネルギーですが、再生可能エネルギーでないことはすでに説明しました。

 そのためにはまず、再生可能エネルギーで発電する設備だということを認定する制度が必要になります。認定された設備で発電された電気でない限り、再生可能エネルギーで発電された電気だと認めません。

 認定制度は、国の機関あるいは第三者の認定機関が行なうべきです。

 次に、認定を受けた設備から送電網に送られた電気量を把握することも必要になります。できればこれをすべてデジタル化して、その電気量を中央で自動登録できる制度をつくりたいところです。

 ここまでは、行政側の問題です。

 もう一つ消費者の信頼を得るのに大切なのは、電力会社において帳簿で管理されている再生可能エネルギー電気の発電量、買電量、供給・販売量を第三者機関によって、それが正しく把握、記録されているかどうかを認証する制度です。

 ドイツでは、環境団体などがそうした第三者機関を設立しました。認証は、電力会社毎ではなく、電力商品単位で行います。再生可能エネルギーで発電された電気でも、電力商品によってその品質に差があるからです。

 ドイツでは、「グリーン電力ラベル」など再生可能エネルギーで発電された電力商品であることを認証するラベルが発行されています。

 ここでも、まだ年間全体の電気量で認証されているにすぎません。ただドイツにはすでに、量的に15分単位で再生可能エネルギーで発電された電気だけを供給することを目指している電気販売事業者も出てきています。

2018年6月10日日曜日

各地にエネルギー相談室を!

 ぼくは、これまでドイツのシュタットヴェルケについて何回か報告してきました。

 シュタットヴェルケは基本的に、自治体の公営会社として電気、熱、ガス、水道などを供給する公益事業を行なっています。都市鉄道、バス、トラム、地下鉄などの公共交通事業も一緒に行なっているシュタットヴェルケもあります。

 ただ、90年代に自治体の財政難で、民営化されてしまったところも結構あります。

 そのシュタットヴェルケが、日本でも注目を集めているといいます。再生可能エネルギーによってエネルギー転換する手段として注目されているようです。

 ここで、注意しないといけないのは、単に電気を供給するだけのシュタットヴェルケでは機能しないということです。ドイツでも、大都市の大きなシュタットヴェルケは、一般家庭と産業向けの電気と熱の供給を行なっています。そのほうが、効率よくエネルギーを利用できるからで、地域で効率よくエネルギーを利用するためのシステム開発もシュタットヴェルケの重要な役割になっています。

 地域によっては、再生可能エネルギー化のためにシュタットヴェルケへの住民参加を促進しているところもあります。

 実は、日本でもドイツのシュタットヴェルケのような自治体エネルギー公社がありました。でも日本では、電力市場が大手電力9社によって地域毎に棲み分けされてしまいました。ドイツの場合は、大手電力が発電と高圧送電を行い、シュタットヴェルケが地元での発電と配電を行なうことで棲み分けされていました。それが、シュタットヴェルケが残った要因だと思います。

 ドイツのシュタットヴェルケで一番重要な点は、独自に発電しているというよりも、配電網、地域熱源供給網、ガス配管網を持って生活の一番近いところでエネルギーを供給する役割を果たしていることだと思います。それ故に、ドイツの住民はどのエネルギーを選択するのか、大手電力の経済権力に強制されることなく、自分の判断で使うエネルギーを決定することができます。その点で、シュタットヴェルケがとても重要な役割を果たしてきたと思います。

 ドイツのシュタットヴェルケが日本で注目されているのは、歓迎すべきことだと思います。でもそれが、日本でも実現できるか、またはすべきかについて議論するのとは、違う問題だと思います。

 ドイツにはドイツの事情が、日本には日本の事情があります。ドイツのシュタットヴェルケには、ドイツ特有の歴史、背景があることを忘れてはなりません。

 また、シュタットヴェルケを新しく設置するのは、自治体に大きな財政負担となります。そのための専門の人材も必要ですが、日本ではまず人材育成からはじめなければなりません。県庁職員や自治体職員の天下りでは、うまくいきません。

 シュタットヴェルケという箱をつくっても、その中身をどうやって埋めるのかも考えないと意味がないということです。

 エネルギー転換において重要なのは、最終消費者である住民がどのエネルギーを使うのか選択しやすくることです。そのためには、配電網を住民のものとするか、公営化するか、配電網に公共性を持たることが必要です。そのためには、特にシュタットヴェルケが必要であるとは思えません。

 日本でまず必要なのはむしろ、住民など最終消費者に最も近いところで、たとえば住宅を新築する場合やソーラーパネルを設置する場合などにおいて、エネルギー問題についてアドバイスできる「エネルギー相談室」のようなものではないかと、ぼくは思います。

 ドイツでも、エネルギーエージェント(Energieagentur)というエネルギー相談機関が国、州、自治体のレベルに設置され、住民の近いところでエネルギーに関して住民や中小企業をアドバイスしています。

 こういう組織をまず、自治体レベルで日本各地に設置していくべきだと思います。設置に当っては、各地にある既存の環境NPO法人などを「エネルギー相談室」の窓口となるように支援していくのがいいのではないかと思います。そして、それをネットワーク化していきます。

 まず小さくはじめて、次第にネットワーク化で大きなものに育てていくということです。

 その後に、シュタットヴェルケのようなものが必要かどうか、考えてもいいのではないと思います。

まさお

シュタットヴェルケ関連記事:
地域熱源で熱を供給する(ベルリン@対話工房)
都市電力公社もバイオガス発電(ベルリン@対話工房)
シュタットヴェルケはエネルギー総合企業(エネルギー選択宣言ブログ)
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エネルギー自治を目指す市民(エネルギー選択宣言)
配電網が重要(エネルギー選択宣言)
プラスエネルギーハウスを地域へと拡大させる(エネルギー選択宣言)

2018年6月6日水曜日

再生可能エネルギーで発電された電気は、どう区別するのか?

再生可能エネルギーQ&A

 再生可能エネルギーで発電された電気は、それ専用の電線を通って供給されるわけではありません。電気はすべて、発電施設から共通の送電網に流れ、さらに配電網から各家庭に供給されます。

 ですから、実際に使っている電気では、火力発電されたものなのか、原子力発電されたものなのか、あるいは再生可能エネルギー発電されたものなのか、それを区別することができません。

 それでは、再生可能エネルギーで発電された電気を供給してもらう契約を結んでも意味がないのでしょうか。

 いや、そんなことはありません。

 契約した電力会社が独自に発電した再生可能エネルギー電気と他社から購入した再生可能エネルギー電気の年間総量が、再生可能エネルギー電気の供給契約をした各家庭に供給された電気の年間総量と一致するか、供給された電気量を上回っておれば、再生可能エネルギーで発電された電気が供給されたことになります。

 年間の総量で比較するので、365日1秒たりとも切れることなく、常に再生可能エネルギーで発電された電気が供給されていたという保証はありません。でも、それを証明すること自体がかなりの負担になります。また、再生可能エネルギーの割合がまだ少ないので、時間帯と天候次第では、それ自体がまだ不可能な状況が発生している可能性もあります。

 ですから、今のところは年間ベースでよしとします。

 それは、地域が100%再生可能エネルギー化されたという場合も同じです。それは、その地域で再生可能エネルギーで発電された電気の年間総量が消費された電気の年間総量と一致するか、それ以上の場合にそういいます。

 つまり、発電された電気が送電網で混じってしまう以上、すべての電気が再生可能エネルギーで発電されるようになるまでは、電力会社の帳簿の上でしか、電気の種類を区別して供給実態を証明することができないということです。

2018年6月3日日曜日

これからは、住民が発電事業者だ

 ドイツでは今年3月、電力最大手のEon社とRWE社が一部合併、吸収することで、Eon社が配電とエネルギー供給システム、RWE社が従来の発電方法と再生可能エネルギーによる発電と、棲み分けされることになります(詳しくは、ベルリン@対話工房の記事「ドイツ電力大手が再々編」を参照)。

 両社では、脱原発、エネルギー転換が進み、火力など従来の発電方法ではもうビジネスが成り立たなくなっています。そのため、両社は2016年に火力や水力など従来の発電方法から再生可能エネルギーを切り離してリストラしたばかりでした。それが、2年もしないうちにまたリストラしなければ、電力大手が生き残れなくなっているということです。

 ドイツのエネルギー転換は現在、再生可能エネルギーによる発電が発電全体の30%以上を占め、電気、熱、動力燃料のエネルギーを連携して再生可能エネルギーによって安定的に、効率よく供給するためのシステムを開発する段階に入っています。

 その意味で、最大手のEon社がシステムサービスに特化していくのはよくわかります。

 再生可能エネルギーによる発電においても、ドイツは昨年2017年から固定価格買取り制度(FIT制度)において、電気の買取り価格を入札で決めて発電施設の建設権を与える制度をはじめています。その状況については、ぼくのベルリン@対話工房のサイトで連載していますので(全体で5回ほどの予定)、そちらを参照してください(「ドイツのFIT制度、入札で競争論理を取り入れ」)。

 昨年の入札の結果、風力発電で最も安く買取り価格を提示した落札額は、電気1kWh当り2セント余りです。日本円にして3円ほどにしかなりません。今ソーラーパネルもかなり安くなってきていますので、太陽光発電の発電コストも1kWh当り6セントくらい(8円余り)にまで下がっています。

 再生可能エネルギーによる発電では、燃料コストやメンテナンスコストがほとんどありません。そのため、発電施設を建設する時の投資額が、発電コストの大半を占めるにすぎません。発電施設の設備費は、これからさらに下がっていくことが予想されます。それでは、再生可能エネルギーにおいても発電で利益を上げることができなくなっていくことが予想されます。

 それでは再生可能エネルギーが普及しなくなりますので、再生可能エネルギーに投資するインセンティブを与えているのがFIT制度です。ただそれでは、再生可能エネルギーを助成する負担が増えるだけなので、そのFIT制度と入札制度を組み合わせて再生可能エネルギーに競争原理をもたらそうというのが入札制度導入の目論見です。でもそれによって、再生可能エネルギーではエネルギーコストが安いという本来の現実がよりはっきりしてきます。

 でもここでは依然として、発電した電気を送電網に送って売電するという方法を前提としています。発電、送電、配電、販売を行なう従来型の電力ビジネスを基盤にしているにすぎません。

 でもソーラーパネルがすでに安くなっているほか、家庭用の蓄電池も次第に価格が下がってきました。今後、ソーラーパネルと蓄電池(電気自動車の蓄電池を家庭用に併用してもいい)をセットにして設置すれば、家庭内で安く、簡単に安定して自家発電、自家消費できるようになります。また集合住宅においても、ドイツでは共同でセーラーパネルを設置して共同消費する傾向が出てきています。そうなると、電力会社から電気を供給してもらう住民は益々減っていきます。

 住民は電気自家発電消費して、余った電気を売るだけになります。こうして、住民がみんな発電事業者になるのはそう遠いことではありません。

 そうなると、発電、送電をベースとした従来の発電ビジネスはもう成り立ちません。ドイツでは現在、それがもう見えてきたと思います。

まさお

2018年5月30日水曜日

冷房は、再生可能エネルギー化できるのか?

再生可能エネルギーQ&A

 日本ではよく、冷房するためにエアコンが使われます。エアコンは専門的にはヒートポンプといわれるもので、温かい熱(温熱)を冷たい熱(冷熱)に変えたり、逆に冷熱を温熱に換えることができます。

 夏の冷房はこのヒートポンプによって、外の暑い空気(温熱)を冷たい空気(冷熱)に換えています。冬は逆に、外の冷たい空気を暖かい空気に換えて暖房できます。

 このようにヒートポンプは、身の回りにある『再生可能な』外の冷たい空気や暖かい空気を使うので、再生可能エネルギーに属します。

 でも日本のように夏が暑いと、エアコンがあちこちでフル稼働するので、エアコンからたくさんの熱(廃熱)が排出されます。それによって、都市ではヒートアイランド現象が起こり、逆に外気温が高くなります。

 それでは、再生可能エネルギー化しても逆効果です。エアコンを稼働させるためには電気も必要で、夏にエアコンが必要な日本では、電力需要は夏にピークになります。

 それでは、どうすればいいのでしょうか。

 環境にやさしく省エネして冷やすことができるように、いろいろな工夫をします。

 ドイツでは、低エネルギーハウス化の一貫で地下の深い所にタンクを設置して、そこで空気を一旦冷やしてそれを冷房に使っている建物が出てきました。地中のほうが、外気温の変化に左右されず、夏は地中のほうが冷たいからです。

 あるいは、建物の外壁と内壁の間に空洞を設けて、その中の空気を循環させて換気できるようにします。そして、明け方の涼しい時に壁の間の空洞の空気の入れ換えをします。

 窓のブラインドやカーテンのの使い方を工夫するだけでも、室内の温度が数度下がります。筆者の自宅では、西側にベランダがあって、夏は午後になると日差が強く、とても暑くなります。そのため、ベランダ側の窓にアサガオとゴーヤを植えて、緑のカーテンをつくっています。

 また、屋根を緑地化したり、部屋の風通しをよくするだけでも、室温を下げる効果があります。

 こうして夏を涼しくする工夫は、すだれや風鈴のある日本では伝統的に行なわれてきたはずです。でも、その伝統はエアコンの普及で、忘れられてしまったのではないでしょうか。

 もう一つ大切なのは、都市全体を冷やすことです。

 都市開発において街の風通しがよくなるように、道路の広さや建物の配置を考えます。また緑地化によって街の中に木を増やして、街に木陰をつくります。その他、歩道は太陽の照り返しの強いアスファルトやコンクリートにせず、できる限り土や敷石にします。

2018年5月27日日曜日

暖房にも熱が必要だが?

再生可能エネルギーQ&A

 暖房を電気でしているだけでは、電気の需要が多くなりますぎます。そのため、暖房に必要な熱を再生可能エネルギーで供給することを考えます。

 まず最初に、日本では暖房を部屋毎に行いっている世帯が多いですが、建物全体を暖房するためのセントラルヒーティング化が必要だと思います。そのほうが、熱を効率よく使え、冬の寒い時の生活温度が高まり、快適さが高まります。

 同時に、建物の断熱効果を高めて、エネルギー消費の少ない低エネルギーハウスにして、省エネすることも必要です。

 たとえば、暖房するのに必要なのはガスです。そのガスを再生可能エネルギー化します。ゴミを堆積すればメタンガスが発生しますので、そのガスを回収します。また下水処理場でもメタンガスが発生しているので、それを回収して燃料にします。

 そのメタンガスをたとえば燃料電池の燃料にすれば、電気と熱を得ることができます。

 バイオガス発電は主に家畜の糞を使いますが、その代わりに家庭で排出される生ゴミやレストランなどで排出される食品の残などを回収して発酵させれば、バイオガス(メタンガス)が発生します。そのガスでバイオガス発電を行なえば、電気と熱を得ることができます。

 こうして得られた熱を高温のお湯(地域熱源)として地面に埋め込まれた配管網を使って、各家庭に配給します。

 メタンガスのメタン濃度が低ければ、必要に応じて二酸化炭素を使ってメタン濃度を上げることができます。そのメタンガスは、天然ガス網に入れることができます。

 また風力発電などで発電された電力が余った場合、その電力で水素を製造します。その水素をそのまま天然ガス網に入れるか、あるいは二酸化炭素を加えてメタンガス化した後に、天然ガス網に入れます。

 ガスは各建物に設置されたコジェネレーションシステム(熱電併給)の燃料とし、電気と熱を発生させます。

 その他、製材業で発生したおがくずや木屑を細かくしてペレットとして、各家庭のボイラーの燃料にすることもできます。

 各地方には、ガスを発生させる材料となる生物資源がいろいろあります。たとえば、鹿児島県では焼酎製造後に糟が残ります。その糟を発酵させてバイオガスを発生させることはできないでしょうか。ワインの製造地でも、ぶどうの糟が残ります。漁業の町では、漁糟を利用できないでしょうか。あるいは、不要な海藻を燃料として利用できないでしょうか。

 こうして、生物資源を使ってガスを発生させ、熱を発生させる燃料とすることを考えます。これらいろいろ可能な方法を適材適所に利用して、熱供給をより効率のいいものにします。

2018年5月19日土曜日

電気はわかったけど、家庭で使うお湯はどうするのか?

再生可能エネルギーQ&A

 たとえば、住宅の屋根に太陽熱温水器を取り付けます。

 太陽熱で暖まったお湯は、断熱された貯湯タンクに貯蔵します。貯湯タンクは太陽熱温水器とセットで屋根に取り付けるものもあれば、ドイツでは主に地下に貯湯タンクを設置します。

 お湯がぬるい場合、ソーラーパネルで発電された電気で加熱することもできますが、日中に暖まったお湯は夕方お風呂に入ったり、シャワーするには十分熱いはずです。

 ただ朝シャワーするためには、お湯を夜間に電気で加熱して暖めておかなければならない場合が多いと思います。

 こうして、ソーラーパネルと太陽熱温水器を持っておれば、自宅で使う電気とお湯(熱)に毎月お金を支払う必要がなくなります。

 筆者の友人は、ドイツ南部のシュツットガルトに暮らしています。数年前に、自宅の屋根にソーラーパネルと太陽熱温水器を設置しました。

 蓄電池は持っていませんが、ソーラーパネルで発電された電気をすべて固定価格買い取り制度(FIT)で売電し、太陽熱温水器で暖かくなったお湯を地下の貯湯タンクに貯蔵して使っています。

 シャワーする時間を夕方にさえすれば、寒いドイツの冬でもお湯を電気で加熱する必要がないといいます。

 自宅で使う電気は電力会社から供給されますが、使った電気に支払う電気料金よりも、売電して得た収入のほうが多いので、毎月おつりがくるといっています。

2018年5月10日木曜日

再生可能エネルギーと貯蔵技術を組み合わせるといっても、そんなに簡単なことなのか?

再生可能エネルギーQ&A

 ソーラーパネルの販売価格が毎年下がっています。一般家庭の屋根にソーラーパネルを設置するのは、もうそれほどお金のかかることではありません。ベランダの腰壁に設置できるソラーパネルも市販されています。

 屋根の瓦に太陽電池を埋め込んだものも出ていますし、将来、ソーラーパネルに埋め込まれた窓ガラスも、手頃な値段で買えるようになると思います。

 家庭用の蓄電池もすでに市販され、その価格も毎年下げってきています。今後は、ソラーパネルを購入する時に、蓄電池とセットで買うようにするのがいいと思います。

 そうすれば、自宅で必要な電気はそれで十分カバーでき、自家発電、自家消費できるようにまります。余った電気を蓄電池から売って、収益を得ることができるようにもなります。

 あるいは、電気自動車を持っておれば、その蓄電池を自宅の蓄電池として使うこともできるようになります。

 各家庭にある蓄電池をネットワーク化させて、地域の蓄電池とすれば地域に電気を安定供給することも可能になります。

 同じことが集合住宅でも可能で、集合住宅に住む住民が共同でソーラーパネルと蓄電池を購入して、共同で自家発電、自家消費、電気販売を行います。ドイツでは、すでにそうしたケースが増える傾向にあります。

 将来、ソーラーパネルがこういう形で普及すれば、住民が発電事業者となる時代もそう遠いことではありません。

2018年5月2日水曜日

でも、再生可能エネルギーでは太陽の光や風がないと発電できないなど、変動が大きいのに大丈夫なのか?

再生可能エネルギーQ&A

 もちろん、太陽光発電は太陽が照っていないと発電できません。風力発電も風がないと発電できません。

 そのため、再生可能エネルギーはエネルギーを貯蔵する技術と組み合わせて使います。また前回述べたように、再生可能エネルギーを発電、熱供給、動力燃料に柔軟に使えるように組み合わせることで、再生可能エネルギーの弱点である変動が大きいという問題をカバーます。

 たとえば、余剰電力を使って水素を製造し、その水素を自動車の燃料電池の燃料として使うことができます。水素のメタン濃度を上げてガス化するか、天然ガスと混合させれば、天然ガス網に貯蔵して熱供給や、必要があればガス発電に使うこともできます。

 あるいは余剰電力を電気自動車の蓄電池に貯蔵しておいたり、家庭用の蓄電池に蓄電しておき、電気の需要が多くなった時に蓄電された電気を使います。

 こうして、再生可能エネルギーとその貯蔵技術を柔軟に組み合わせれば、エネルギーを安定的に供給することも可能になります。

2018年4月25日水曜日

電気、熱、動力燃料と、これだけたくさんのエネルギーをすべて再生可能エネルギーで供給できるのか?

再生可能エネルギーQ&A

 できますし、できるようにシステム化します。

 たとえば日本の環境省が発表している再生可能エネルギーの可能性報告書によると、日本では太陽光発電と風力発電(陸上と洋上)だけでも年間3兆kWhの電気を発電するポテンシャルがあるとしています。

 日本で年間必要とされる電気は、8000億kWh余りです。その3倍以上の電気を発電できるのです。

 電気自動車が普及して自動車を電気で動かすようになると、電気の需要が莫大に増えることも予想されます。

 そのため、電気をどの分野に使うのか、また電気以外のエネルギーをどの分野で使い、どう再生可能エネルギーでカバーするのかなど、まだまだこれから試行錯誤しながら考えていかなければなりません。

 また、エネルギー消費をできるだけ少なくして省エネすることもたいへん大切です。

 たとえば、日本では住宅の断熱効果を上げるだけで、冬に家の中で生活する温度が上がって快適になるほか、たくさんのエネルギーを節約することができます。

2018年4月18日水曜日

熱供給といっても、冷蔵庫や冷房など冷やすためにもエネルギーが必要ではないか?

再生可能エネルギーQ&A

 その通りです。

 熱には、暖かい熱と冷たい熱があります。前者を温熱、後者を冷熱といいます。たとえば、エアコンは冷房(冷却)にも、暖房(加熱)にも使えますが、空気をその熱源にしているにすぎません。

 空気を熱源として、空気を減圧して膨張させたり、加圧して圧縮します。それによって、熱を吸収させたり、発熱させたりできるのです。それで、冷やすこと(冷熱)も、熱くすること(温熱)もできます。

 ですから、熱とは温熱と冷熱の両方を意味します。それをうまく利用しているのがエアコンというわけです。

 土は空気よりも温度が安定していて、空気ほど温度が変化しません。その地中の熱を熱源として利用すれば、同じように暖房にも冷房にも使うことができます。水も熱源として利用できます。

 こうして見ると、生活の周りには熱として利用できるものがいろいろあることがわかります。

2018年4月11日水曜日

電気以外に必要なエネルギーには、どんなものがあるのか?

再生可能エネルギーQ&A

 まず、日常の生活から見てみましょう。

 料理をするには熱が必要です。その熱は現在、ガスや電気がエネルギー源となっています。

 食器を洗う時のお湯、お風呂に入る時のお湯をわかすのにも熱が必要です。この熱は現在、ガスや電気がエネルギー源となっています。また、発電所で発生する廃熱をそのエネルギー源とすることもできます。

 車を動かすにもエネルギーが必要です。動力燃料です。現在は、ガソリンやディーゼル燃料と、石油から製造された化石燃料がそのエネルギー源になっています。

 電車やトラムを動かすにもエネルギーが必要です。現在は、そのほとんどが電気がエネルギー源になっています。

 飛行機を飛ばすにもエネルギーが必要です。その燃料は現在、ケロシンといわれるディーゼル燃料に似た石油からできた燃料です。

 また、工場でもエネルギーが必要です。機械を動かすためのエネルギー(電気)、また工場ではたくさんの熱が必要とされます。

 まとめると、われわれが必要なエネルギーは、電気以外は、熱と動力燃料にまとめることができると思います。

2018年4月4日水曜日

前回のQ&Aからすると、再生可能エネルギーは発電以外のためにも使えるということか?

再生可能エネルギーQ&A

 そうです。

 エネルギーは、発電して電気として使うばかりでなく、発熱させて給湯や暖房に使います。さらに、エネルギーは自動車などを動かすための動力燃料にも必要になります。これらエネルギーを必要とするものをまとめて総合的にエネルギーの利用について考える必要があります。

 再生可能エネルギーにはこれまで見てきたように、太陽の光と熱、風、水、植物から得られるバイオマスやバイオガスがあります。

 それぞれをエネルギー源として利用するには、いいところと使いにくいところがあります。

 たとえば、太陽が照っていないと発電できません。風もないと発電できません。

 それをうまく組み合わせれば、エネルギーの供給をより効率よく安定させることができます。そして、再生可能エネルギーでエネルギーの安定供給を実現するシステムを開発することに、技術的なイノベーションをもたらす効果もあります。

 日本では、エネルギーを発電に利用するということに固執しすぎていると思います。エネルギーは電気だけではないことをしっかりわかってほしいと思います。

 再生可能エネルギーのそれぞれをどう組み合わせていくかについては、これから徐々に説明していきたいと思います。

2018年3月31日土曜日

デジタル化は電気の食いしん坊

 これまであまりはっきり認識されていないのが、グーグルやフェイスブック、ヤフーなどIT産業の電気消費量がとても多いということではないでしょうか。サーバーなどのあるデータ処理センターでは、IT機器が四六時中稼働しています。これら機器が過熱しては稼働しなくなるので、IT機器を冷やすためにクーラーもフル稼働しています。

 こうして見るだけでも、データ処理センターではたくさんの電気が消費されていることがわかります。

 社会がデジタル化すればするほど、電気消費量が莫大に増加していくことが予想されます。デジタル化は、IT産業の電気消費を莫大に引き上げ、電気の食いしん坊にさせていきます。従来の産業では、アルミ産業が電気を最も大量に消費していました。しかし、IT産業がいかに電気を必要とするかを考えると、IT産業の電気需要はアルミ産業の電気需要を超えていくことが予想されます。

 この多量なIT産業の電気需要に対して、IT産業はどう対応しようとしているのでしょうか。

 グーグルなどIT産業は、再生可能エネルギーへの投資を拡大し、電気を再生可能エネルギーで供給しようとしています。再生可能エネルギーは一般的に高いといわれていますが、それはどうしてなのでしょうか。

 答えは、簡単です。

 再生可能エネルギーは燃料を必要としません。そのため、発電コストは燃料価格に影響されません。再生可能エネルギーの発電コストは、その結果安定しています。また再生可能エネルギーの分野では、今後学習効果や投資の拡大などがより期待されるので、発電コストが益々下がっていくことが予想されます。

 それに対して、火力発電や原子力発電で発電コストが安くなっているのは、発電設備が古くて減価償却されているからにすぎません。発電設備の老朽化が今後さらに進むと、新しい発電設備が必要となります。しかし、これら大型設備を建設するには莫大な投資が必要です。それによって発電コストが引き上がります。さらに、燃料費が今後益々上がっていくので、これら従来の発電方法では今後発電コストが上がっていくばかりです。

 こうした状況を見れば、明らかです。デジタル化進めば進むほど、電気の大口消費者となるIT産業は、安い再生可能エネルギーに依存しなければならなくなります。

 これまで日本では、再生可能エネルギーは高いとしわいわれていません。でも国際的には、IT産業を見ればわかるようにそうではありません。

 この現実をよく知ってもらいたいと思います。

まさお

2018年3月28日水曜日

その他、自分の生活の身の回りにエネルギー源となるものはないか?

再生可能エネルギーQ&A

 すでに、生ゴミが再生可能エネルギーであることは書きました。ただ、家庭で出る生ゴミをしっかりと分別して回収しなければなりません。それが、なかなかできていないのが現状です。

 それから、スーパーなどで余ったり、古くなった野菜やパンなどの食料品もそれを回収して発酵させれば、バイオガスを得ることができます。

 ただこれについては第4章でも書いていますが、スーパーの残り物をホームレスや生活保護受領者など生活に困っている人たちのために使うこともできます。特に都市では、そのほうが残った食品をより有効に利用できると思います。

 また、レストランや社員食堂、病院の食堂、ホテルの宴会やパーティー、催し物などでは、毎日それはたくさんの残飯が残っているはずです。それも回収すれば、発酵させてバイオガスを発生させることができます。

 なお、レストランの残り物を閉店前に安く販売するためのアプリが登場しています。それについては、エネルギー選択宣言ブログの「食品を廃棄から救うアプリ」で書きました。

 こうして得られたバイオガスは、バイオガス発電によって発電と熱供給に使うことができます。そればかりでなく、バスのメタン濃度を上げれば、自動車の燃料として使うことができるほか、燃料電池に使えば、発電や燃料電池車の燃料と利用できます。

 ただいずれにせよ、できるだけ食料品を無駄にしないように造りすぎないようにすることも大切であることを忘れてはなりません。

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2018年3月2日金曜日

木を燃やすと二酸化炭素が出るのに、再生可能エネルギーなのか?

再生可能エネルギーQ&A

 木は生物資源で、石炭と同じように燃やすとその中に吸収されていた二酸化炭素が排出されます。

 でも、木はなぜ石炭と違って、再生可能エネルギーなのでしょうか。

 木は生育中、空気中の二酸化炭素を吸収してきました。それを燃料として燃やすと木に吸収されていた二酸化炭素が排出されます。そして次に、その排出された二酸化炭素は新しく生息している木に吸収されます。

 この循環プロセスが繰り返される限り、空気中の二酸化炭素は増えないとみなします。つまり、二酸化炭素が排出されるてもまた吸収されるので、空気中の二酸化炭素がプラスマイナスゼロになって増えないということです。

 ここでは、木を伐採しても、同じ量の木が植樹され、森林が維持されていなければなりません。

 これを「カーボンニュートラル」といい、これが木を再生可能エネルギーとする前提です。
 
 同じことが、生物資源を家畜の糞で発酵させてガスを発生させて発電するバイオガス発電にもいえます。

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2018年2月23日金曜日

石炭は再生可能エネルギーか?

再生可能エネルギーQ&A

石炭は再生可能エネルギーか?

 石炭は、再生可能エネルギーではありません。

 石炭は、元々生物資源だったものが長い年月を経て化石化したものです。

 石炭を燃やすと、吸収されていた二酸化炭素が排出されます。この二酸化炭素は元々の生物が生息していた時に吸収されたものです。そのため、石炭を今エネルギー源として燃やしても、過去に吸収された二酸化炭素が排出されるだけで、その分を今十分に吸収できる植物がありません。

 それでは、過去に吸収された二酸化炭素が排出されてその排出量が増え、環境破壊の原因になるだけです。

 そのため、石炭は再生可能エネルギーではありません。同じことが、化石燃料といわれる石油や天然ガスにもいえます。

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2018年2月19日月曜日

ゴミも再生可能エネルギーか?

再生可能エネルギーQ&A

 そうとは限りません。

 ゴミを燃料として燃やして発電することができます。これが、ゴミ発電です。

 生ゴミのように、食料品など生物を資源とするゴミだけであればいいのですが、ゴミの中には、プラスチックなど生物を資源としていないものもゴミの中に含まれています。

 なので、ゴミは再生可能エネルギーとはなりません。

 ただ、第4章で残飯を集めてバイオガス発電をしている事例を挙げましたが、このように生ゴミだけを集めて発電すれば、再生可能エネルギーといえます。

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2018年2月9日金曜日

糞など排泄物も生物資源ではないのか?

再生可能エネルギーQ&A

そうです。

 糞の中には、摂取しても食べ物でも消化しきれなかったものが含まれています。食べ物などもにもよりますが、食物繊維などです。これも生物資源で、昔は動物の糞(日本ではヒトの糞)も肥料に利用されていました。

 糞は微生物が働く場でもあり、糞が排泄されると細菌や菌が分解をはじめ、発酵します。

 たとえば人糞は、水洗トイレで流すと下水処理場に入り、そこで汚土(スラジ)として溜まり、メタン発酵してメタンガスを発生させます。このメタンガスを回収すれば、ガス発電に使うことができます。

 すでにドイツでは、下水処理場で回収したメタンガスを燃料電池の燃料に使って発電しているところもあります。

 また、動物の糞を植物の葉や茎をこなごなに破砕したものと混ぜると発酵を促進し、ここでもメタンガスが発生します。このガスを回収して発電するのがバイオガス発電といわれるものです。

 こうして生物資源を発酵させれば、エネルギーを得ることができます。ここでも、生物資源をベースにしていますので、再生可能エネルギーとなります。

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2018年2月4日日曜日

電気スクーターをシェア

第8章「交通の未来」では、交通が将来どうなるのか、簡単なスケッチをしてみたところがあります。一つが、電気自動車によるカーシェアリングでした。その他、無人の小型バスによって公共交通が利用者中心に大幅に改革される可能性についても述べました。

 実際、ベルリンでは今年春から、ベルリン公共交通公社と自動車大手のダイムラーが共同で小型バスによる相乗りタクシーをはじめます。これは、携帯電話のアプリを使って同じ方向にいく乗客を集客し、小型バスで輸送するという新しい交通システムです。

 現在の公共交通とタクシーを合わせたようなサービスで、Ride Sharingと呼ばれます。自動車は当初、まだ電気式を使用しないが、いずれ電気自動車化を進めるとしています。ベルリンにはすでに、電気自動車だけで同じ方法ですが、独自に開発したアプリで相乗りタクシーを運行しているClever Shuttleというサービスもあります。

 また、電気スクーターのシェアリング・サービスEmmyも登場しています(記事一番上の写真)。アプリをダウンロードして会員になれば、アプリで最寄りに駐車されている電気スクーターを探して乗ります。使った後は、ベルリンの環状線都市線内であればどこに乗り捨ててもかまいません。一旦降りてまた使いたい場合は、休憩モードにしておくこともできます。料金は、1分単位か走行距離1km単位で支払います。

 Emmyを立ち上げたのは学生のスタートアップで、ベルリンのような大都市からは自動車を排除してしまいたいとの夢を持っています。

 Emmyのサイトは以下です。英語サイトもあり。
 https://emmy-sharing.de/

まさお

2018年1月31日水曜日

植物も再生可能エネルギーなのか?

再生可能エネルギーQ&A

 中学生の時に、理科の授業で光合成について習ったと思います。

 これは、緑色をした植物が二酸化炭素(空気中)と水(植物には水をやります)を取り入れて、太陽の光(光エネルギー)を使ってデンプンなどをつくることです。植物はこうして光エネルギーを化学エネルギーに換えて、成長しています。

 こうして成長した植物(化学エネルギー)を燃やせば(熱エネルギー)、その熱で蒸気をつくってタービンを回して(運動エネルギー)発電機を動かし、電気エネルギーに換えることができます。

 これがバイオマス発電です。植物などの生物資源を使って発電する一つの方法です。

 そのために必要な二酸化炭素と水、太陽の光は、自然環境にあります。ですから、これも再生可能エネルギーです。

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2018年1月25日木曜日

再生可能エネルギーとは自然エネルギーのこと?

再生可能エネルギーQ&A


 必ずしもそうではありません。

 確かに、再生可能エネルギーは自然界にある太陽光や熱、風、川から得られます。だから、再生可能エネルギーは自然エネルギーのことだといえるのでしょうか。

 たとえば日本にたくさんある大きなダムを見てみましょう。日本の水力発電ではほとんどが大きなダムで水をせき止めて、発電を行なっています。日本の資源エネルギー庁はだから日本の自然エネルギーは発電全体の12%も占めていると誇示しています。でも、そのうちの約9%が大きなダムによる大規模水力発電です。

 大きなダムを建設するため、それによって上流の村が消滅したり、自然が破壊されています。ダムで川をせき止めては、魚が上流に上っていくこともできません。それでは、川の環境が大きく変わって破壊されてしまいます。

 いくら自然エネルギーだからといって、環境を破壊するようなエネルギーは再生可能エネルギーではありません。水力発電の場合は、小川などで小さな水車を回して発電するなど、魚が川を上っていけるなど川の環境を変えないで発電できる中小規模の水力発電だけを再生可能エネルギーとします。

 ですから、日本で発電に占める再生可能エネルギーの割合は3%余りにしかなりません。

 自然エネルギーということばに騙されてはなりません。

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2018年1月21日日曜日

食品を廃棄から救うアプリ

 余ったり、売れ残った食料品が無駄に捨てられるだけになっている状況から、ドイツではそれを回収してバイオガス発電に使っていることを第4章で書きました(記事「残飯でガスをつくる」)。ただそれに対して、売れ残った食料品をホームレスなどに供給する運動をしている市民団体があることも書きました。

 また同じ記事では、売れ残りのパンを販売するセカンドハンド専門のパン屋や売れ残りのパンを燃料にしてパンを焼いているパン屋さんがあることも書きました。さらにこのブログでは、スーパーの売れ残り食品を販売するセカンドハンドスーパーがあることも紹介しました(記事「セカンドハンドの食品を販売」)。

 今ドイツではさらに、「Too Good To Go」というアプリが普及しはじめています。これは、デンマークのスタートアップが開発したもので、レストランなどで余った食品を格安で消費者に仲介するマッチングアプリです。レストラン側はアプリに登録して余った食品情報をアプリに提供します。アプリを使う消費者側はアプリで余り食品情報を得て、そこから自分で食べたい食品を選択して、アプリで支払って決算します。

 後は、決められた時間に注文したレストランに食品を取りにいくだけ。レストランの場合は、閉店1時間前などです。食品がボックスに入れられてピックアップされるのを待っています。たとえばベルリンでは、食品ボックス1つは食品にもよりますが、だいたい3ユーロ(約500円に相当)くらいだといいます。

 アプリに登録しているのは、レストラン、カフェ、パン屋さんなど。アプリはまだヨーロッパでしか普及していないようですが、食品をいかに無駄にしないか。それについても消費者側も自分で考え、どうするのがいいか自分で実行したいと思います。

 ドイツのサイトは以下です。
 https://toogoodtogo.de/

まさお

2018年1月17日水曜日

再生可能エネルギーとは何か?

再生可能エネルギーQ&A


 自分の生活の周りを見てみましょう。どんなエネルギーがあるでしょうか。

 朝太陽が昇ると明るくなり、沈むと暗くなります。明るくなるのは、太陽の光があるからです。これが光エネルギーです。

 太陽が照ると、冬は暖かく、夏は暑く感じます。これは、熱があるからです。これが熱エネルギーです。

 風が吹くと、帽子や傘が飛ばされます。からだも押される感じがします。これは、風に押す力があるからです。これが運動エネルギーです。

 川には水が流れています。川に木の棒を投げ入れると、木は流れていきます。これも運動エネルギーです。

 これらのエネルギーは、日常いつもありませんか。太陽は毎日昇って沈みます。風はいつも吹いているわけではありませんが、風がなくなってもいずれまた風が吹きます。川の水は、水がある限り流れています。

 つまり、これらのエネルギーは使っても使ってもまた使うことができます。こうしていつまでも使えることのできるエネルギー。それが、再生可能エネルギーです。

 エネルギーにはいろいろな形があって、他の形に換えることができます。ここで挙げた光エネルギーや熱エネルギー、運動エネルギーをたとえば電気エネルギーに換えると、電気ができます。

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2018年1月13日土曜日

ドイツの再生可能エネルギーは宗教のおかげ?

 ぼくのドイツ人の友人に、放射線防護問題に詳しい友人がいます。その友人を訪ねた時でした。先日、日本のドキュメンタリー映画の女性監督がインタビューにきたというのです。映画監督は、ドイツの脱原発、再生可能エネルギーの普及について取材しているということでした。

 インタビューの主なテーマは最終処分問題だったようです。でも、ドイツでなぜこう再生可能エネルギーが普及してきたのかという質問もあって、それはドイツ人の宗教観からきていないだろうかと聞かれたそうです。ドイツでこれだけ再生可能エネルギーが普及してきているのに、なぜ日本では進まないのか。その違いがどころからきているのか、それを追求してみたいというのが質問の背景だということでした。

 ぼくの友人は困ってしまいました。思ってもみなかったし、考えてもみなかった質問にどう答えていいかわかりません。友人の連れ合いの女性が哲学などに詳しいので、その女性がいろいろ助け舟を出してくれました。その場は、それで何とか終えたということでした。簡単にいえば、まあそういうところもあるかもしれないけれど、よくわからないが彼らが答えた結論でした。

 でも二人の本音は、そんなことはないと思っていると、ぼくに明かしてくれました。なぜそういう質問をされたのかもわからないといっていました。

 二人は今度、それについてどう思うか、ぼくに聞いてきました。ぼくにとっても、それは思ってもみなかった質問でした。

 再生可能エネルギーと宗教。うーむ。

 確かに昨年2017年がルターの宗教改革600年だったとはいえ、再生可能エネルギーを進めたいという気持ちと宗教を結び付けるのはとても意外でした。無理がないだろうか、といわざるを得ませんでした。

 再生可能エネルギーという自然なものを求めることが宗教観に通じるところがあるのか。それなら、自然に対する思いは西洋人のドイツ人よりは、日本人のほうが自然との調和にもっと強い思いを持っていないでしょうか。

 600年前の宗教改革は、上から宗教を押し付けられるのではなく、市民自身が宗教に対する意識にめざめたのでした。そうして、自分のための宗教になったのでした。それが、市民社会への社会改革へとつながっていきます。市民の意識改革であったともいえます。

 ぼくは、そこに再生可能エネルギーとつながるところがあると思います。

 再生可能エネルギーは発電設備が小型で、それを分散化、ネットワーク化させて使うことに意義があります。そこに、一般市民自らがエネルギーの供給、利用に関わる可能性が生まれます。だから、ドイツでは再生可能エネルギーへの投資の60%が一般市民によるものです。

 市民が大手電力会社にどういうエネルギーを使うのか強制されるのではなく、自分で使いたいエネルギーを自分で選ぶ。自分で発電する。再生可能エネルギーは、その可能性を市民に与えてくれます。市民はそれによって、エネルギーを利用することにおいて、自立できるのです。

 これは、エネルギーに対する市民意識を改革し、エネルギー自治を実現して、エネルギーにおいて経済権力から解放される一つの方法となります。

 ぼくはドイツ市民社会に、エネルギーを自分たちのものにしたい、しなければならないという意識があると感じます。それが、ドイツでここまで再生可能エネルギーを普及させてこれた一つの大きな要因だと思います。

 それは、「エネルギー選択宣言」で伝えたかったことでもあります。

まさお