2018年12月2日日曜日

自家発電、自家消費のすすめ

 ぼくは、太陽光発電は屋根にソーラーパネルを設置して行うのが一番だと思っています。平地などで、出力の大きなメガソーラーを設置するのは適切ではないと思います。そのために森林や山の斜面などを切り開いて整地し、環境を破壊してまで発電するのは、再生可能エネルギーではないからです。

 ドイツでは10数年前に再生可能エネルギー法によって、メガソーラーで発電された電気の買取価格を結構引き上げたことがあります。それによって、一時メガソーラーがブームになりました。

 ただそれによって、電気料金がかなり高くなりました。一旦ブームになると、その分の発電量が増えるので、再生可能エネルギーで発電される電気を固定価格で買い取る固定価格買取制度(FIT)による負担が増えます。その負担は消費者全体に分配して電気料金で負担するので、電気料金が高騰します。

 ドイツでは現在、出力750kWを超えるメガソーラーは入札方式で電気の買取価格が確定します。その結果、メガソーラーで発電される電気の買取価格は下がってきました。ただその分、資金力のない市民がメガソーラーに投資しにくくなり、メガソーラーでは企業がますます有利になっています。

 メガソーラーに関しては、ぼくは最低以下の二つの条件を満たしてほしいと思います。
◦空き地をそのまま利用し、森林や山を切り開いて設置場所をつくらない
◦市民共同で出資して設置するなど、市民ベースの団体が設置するのを優先するか、それ以外の設置を認めない

 次に太陽光発電で大きな可能性をもたらしてくれるのが、工場や倉庫、公共施設、オフィス、集合住宅などです。屋根が大きいので、ソーラーパネルを設置する場所がたくさんあります。ドイツではここ数年来、この種の太陽光発電がブームになってきました。

 この種のソーラーパネルでも、市民が共同で出資して運用できます。工場や倉庫、公共施設は市民団体に屋根を貸せば、賃貸収入を得ることができます。集合住宅では、住民が共同で発電して電気を住民たちで消費できます。企業自身も、自社工場やオフィスで自家発電、自家消費できます。

 ところが昨日の記事でも書いたように、この種のソーラーパネルで発電される電気の買取価格が2019年からかなり引き下げられることになりました(2018年12月1日の記事「FIT制度をさらに改正」)。この改正は、太陽光発電を普及させる上では大きなマイナスだと思います。本来、この種の太陽光発電をもっと支援していかなければならないはずです。

 すでに述べたように、再生可能エネルギーで発電される電気の買取制度による負担が大きくなると、電気料金が上がります。それを防ぐためには、買取価格を引き下げるしかありません。そのために、今回の改正が行われました。

 陸上風力発電では、設置できる陸地には限界があります。再生可能エネルギーがある程度増えてくると、その割合をさらに増やしていく場所は、陸上では屋根しかなくなります。屋根はたくさんあるのだから、屋根にできるだけ多くのソーラーパネルを設置するしかありません。

 ソーラーパネルで発電される電気の買取価格を引き下げるのは、中国産のソーラーパネルの普及で、ソーラーパネルがとても安くなったからでもあります。それに伴い、電気の買取価格が高すぎると判断されたのだと思います。買取価格が高すぎると、バブルになる危険もあります。

 中国は国家戦略としてソーラーパネルを販売しているので、ドイツでもめっぽう安く買えます。これは、中国の公的補助といってもいいと思います。それなら中国の公的補助を使って、どんどん屋根にソーラーパネルを設置していけばいいのです。ドイツ国内のパネルメーカーを中国産から守るといっても、国内製造による雇用はたかが知れています。それなら、中国からの公的補助の恩恵に預かって、安いソーラーパネルをどんどん設置したほうが得策だと思います。

 また、小型蓄電池もかなり値崩れして安くなりました。ソーラーパネルを設置するには、蓄電池とセットで設置すべきだと思います。それによって自家発電、自家消費ができるようになり、余った電気は売ることができます。そうすれば、新しい収入源も生まれます。

 自家発電、自家消費するようになれば、法的に規制される電気の買取価格の影響も小さくなります。

まさお

2018年11月25日日曜日

脱石炭、脱炭素の本当の意味

 フランスでは、自動車の燃料税増税に反対して大規模な反政府デモが起こっています。

 ドイツでは、脱瀝青炭(普通、石炭といえばこちら)が今年(2018年)末で実現される予定です。さらに現在、脱褐炭(低品位の石炭)に向けても協議が続いています。脱褐炭する時期は、来年決定されると思います。またドイツでは、ディーゼル車の窒素酸化物排出問題で、一部の都市において裁判によって一部ディーゼル車の走行が禁止されました。

 ここで問題になっているのは、温室効果ガスによって温暖化が加速していることです。温暖化をストップさせないと、将来居住できない地域が出てくるなど、環境上、社会上、大きな問題が起こることが予想されます。

 温室効果ガスでは、二酸化炭素が温暖化の大きな要因になります。

 そのため、各国は燃料や排出される二酸化炭素に課税して、二酸化炭素の排出量を減らそうとしています。最終的には、二酸化炭素を排出しないようにするため、脱石炭や脱炭素することを目的にしています。

 ただぼくは、これは二酸化炭素を出さないという単なる結果論にすぎず、その原因となる問題を解決するほうが、根本的な問題解決になるのではないかと思います。

 石炭やガソリンといわれる化石燃料の中には、化学エネルギーがあります。石炭は、それを燃焼させることで化学エネルギーを熱エネルギーに変え、熱エネルギーで水を気化させて運動エネルギーに変換します。たとえば運動エネルギーで発電機を回せば、発電できます。これが、蒸気機関です。

 ガソリンは点火プラグを点火させてガソリンを爆発させることで、化学エネルギーを運動エネルギーに変えてピストンを動かします。これが、車を動かす原理です。これを、内燃機関といいます。

 石炭やガソリンにある化学エネルギーを熱エネルギーや運動エネルギーに変換させる時、二酸化炭素が排出されます。それは、石炭やガソリンなどの化石燃料の元である生物には、水と二酸化炭素が光エネルギーによって化学結合して、化学エネルギーが蓄えられていたからです。この反応のことを光合成というのは、中学校の理科の時間に習いました。

 こうして見ると、二酸化炭素は化学エネルギー変換のプロセスにおいて循環しているだけではないでしょうか。排出された二酸化炭素が再び生物に吸収されて、化学エネルギーが生物の中に蓄えられれば、二酸化炭素は再び生物の中に取り込まれます。

 この状態では、二酸化炭素は増えません。これを、カーボンニュートラルといいます。

 でも今、排出された二酸化炭素を吸収するだけの生物が十分にはありません。それは、化学エネルギーを蓄えていた石炭やガソリンが遠い過去に成長した生物を起源としているからです。過去に蓄積されていた二酸化炭素を吸収するだけの生物が今ないのは、当然の話です。

 そうなると、問題はむしろ二酸化炭素ではなく、過去の遺物である石炭やガソリンを使う技術にあるのではないでしょうか。つまり、過去に蓄積された化学エネルギーを蒸気機関と内燃機関で使うことに問題があるのです。この技術は、18世紀後半に起こった産業革命によって発明されました。

 蒸気機関と内燃機関において、カーボンニュートラルが確保できるのであれば問題ありません。蒸気機関では、太陽熱発電とバイオマス発電、内燃機関ではバイオガス発電がこれに相当します。それ以外の場合、蒸気機関や内燃機関を使うべきではありません。そうしない限り、温暖化を止める方法はないのではないかと思います。

 ぼくには、脱蒸気機関や脱内燃機関、あるいはむしろ脱産業革命といったほうが適切なように思います。産業革命から続いた産業時代に、一つの終止符が打たれようとしているのだと思います。

 それは、原子力発電にもいえることです。原子力発電も石炭火力発電と同じように、蒸気機関を利用しているからです。となると、原子力発電が温暖化対策になるという論理はおかしくないですか。

まさお

2018年11月18日日曜日

電気自動車へ移行させるのはいいけれど

 ドイツの自動車メーカー最大手のフォルクスヴァーゲン社は、自動車を電気自動車に切り替えるため、2023年までに300億ユーロ(約4兆円に相当)投資すると発表しました。2025年までに電気自動車を、現在の6車種から50車種以上にする計画です。

 その他、無人自動車や自動車のデジタル化などに140億ユーロ(2兆円弱に相当)投資するとしています。

 電気自動車化に向け、大胆なリストラを行うことになります。電気自動車の製造では部品数が激減するだけに、従業員が大幅に解雇されるのがたいへん気になります。しかし、同社は解雇するのではなく、新規採用を抑えて定年退職者が退社していくことで人員削減するとしています。

 まあ、ようやくかという気がしないでもありません。

 ドイツ政府が電気自動車化を国家戦略としていることがわかっていても、なかなか電気自動車化に乗り出せなかったドイツの自動車業界です。そのため、電気自動車の開発が遅れ、それに必要な蓄電池の製造工場さえドイツにはありません。

 そのため、蓄電池の製造では韓国や中国のメーカーと提携せざるを得なくなっています。フォルクスヴァーゲン社にとって、中国はたいへん重要な市場。中国ではこれまで通り、現地生産化を目指すとしています。

 日本のメーカーが挙がってこないのは、日本が遅れているからです。

 でもね、電気自動車化をいうだけでは意味がないんですよ。

 第8章⎡交通の未来⎦の⎡自動車メーカーが沈黙しているのは不思議⎦でいっているように、電気自動車は再生可能エネルギーで発電されたグリーン電力を使わないと意味がありません。

 ドイツでは、発電における再生可能エネルギーの割合が40%近くになったとはいえ、交通に電力を供給するには再生可能エネルギー化がもっと進まなければなりません。このままでは、火力発電や原子力発電された電力で電気自動車を走させることになりかねません。

 その意味で、フォルクスヴァーゲン社には電気自動車は再生可能エネルギーで走るものというしっかりした哲学を持ってほしかったのですがね。それが、再生可能エネルギーを促進させるインパクトにもなります。でも、それがありません。

 それが、将来に対する企業責任だと思うのですけどね。

まさお

2018年11月11日日曜日

地方交通をどう維持するのか?

 生活する上で大切なのは、地元で移動するための足です。ただ、人口の少ない地域ほど、利用客が少ないので、公共交通でもやっていけません。そうなると、自家用車に頼らざるを得なくなります。あるいは、人口がさらに減って過疎化します。

 大都市では家賃が上がる一方なので、郊外で生活して、時間をかけて通勤しなければならなくなります。都市に向かう公共交通は混雑し、通勤に自家用車を使えば、大都市では渋滞が起こります。通勤による疲労も増大します。

 過疎化や交通渋滞、それに伴う公害の問題は、社会構造や交通整備の問題とも密接に関係しています。さらに、これらの問題はエネルギー消費にも影響を与えます。

 交通の問題では、憲法で保障されている平等と公平さをどう実現するかもとても大切な課題です。過疎であっても、市民が移動できる公共交通をどう提供するのか。都市と過疎地で、移動するのに大きな格差があってはなりません。

 そのため、地方自治体などが地元の公共交通を維持するために補助金を出したりしています。それで運用されているのが、たとえば日本の第三セクターです。

 新幹線のような長距離鉄道は、経営が楽です。むしろ、地元の中近距離交通をどう整備して、魅力ある交通システムを提供していくのか。それが、地方を活性化させるポイントでもあります。地方においても、市民が自家用車ではなく公共交通を使えば、省エネ効果も高まります。

 単に公共交通を公営化しても、赤字経営になるのは過去の経験からわかります。公共交通にどう競争の原理をもたらし、効率と質を改善するのか。それが、大都市集中化を緩和する上でも、とても重要な課題になっています。

 たとえば、ドイツの首都ベルリンでは今、これまでドイツ鉄道の子会社によって運用されてきた都市鉄道交通(Sバーン)をどう改善するかが、大きな問題になっています。ドイツ鉄道のコスト削減戦略で車両のメンテナンスが不十分となって認可が下りず、使うことができなくなりまりました。そのために、長い間車両を走らせずにメンテナンスしていたことがあります。それで車両不足になり、運休を避けるため、混雑するのを覚悟で短い編成で走らせていました。

 そこで考え出されたのが、機関車、車両など輸送に必要なハードウェアを自治体が税金で購入し、そのメンテナンスと運転する会社を別々に入札で選ぶという方法です。こういう手法は、すでにドイツ北西部の二ーダーザクセン州で90年代に導入されています。それによって、単に補助金を出すよりも、サービスの向上ばかりでなく、コスト削減効果も生まれていることがわかっています。

 税金で車両を購入するということは、車両が公共所有ということになるので、平等性、連帯性も高まります。

 大都市集中化を防ぎ、地方分散化を進める上でも、公共交通の整備、拡充が大切です。全体として見ると、それが大都市での公害を軽減し、省エネ効果をもたらします。また、地方分散化で長時間通勤する必要がなくなれば、生活環境も向上します。

まさお

2018年10月21日日曜日

都市の駅をハブ化する

 「ハブ空港」ということばがあります。これは、航空網において長距離航空と国内、大陸内航空の乗り継ぎの中核になる空港のことです。

 この「ハブ」ということばを鉄道網の駅につけると、どういう駅になるのでしょうか。乗り継ぎの中核になる拠点駅がまず思い浮かびます。

 ぼくは、8章「交通の未来」の「グリーン電力で走るドイツ鉄道」の項においてドイツ鉄道のカーシェアリングについて紹介しました。ドイツ鉄道は長距離の移動に鉄道を使い、主要駅からカーシェアリングで電気自動車で移動してもらうというサービスを展開しています。

 これは、鉄道と電気自動車を結びつける新しい意味での「ハブ駅」です。これをさらに、大都市内で主要駅をハブ化するとなると、どうなるのでしょうか。

 大都市の電車や地下鉄の駅を降りると、電気自動車のカーシェアリングステーションをはじめとして、電気バイク、電気キックスクーター、自転車のシェアリングステーションがあります。あるいは、小型の乗り合いバス(ライドシェアリング)の拠点もあります。

 都市毎にこれらを予約しておくアプリをスマホにダウンロードしておけば、どこにいっても必要な時に、自動車や自転車などに乗れます。

 こうすれば、大都市の交通が多様化し、大都市を走る自動車の数を減らして渋滞解消効果も生まれます。個人で自動車などを持っている必要もなくなります。

 ドイツ北部の大都市ハンブルク(switchh)では、カーシェアリング会社などと共同で都市交通公社がこうした試みをはじめました。ベルリンでも、試験的にはじめてみることが検討されています。

 都市交通は、早いテンポで変わろうとしています。

まさお

2018年10月14日日曜日

再エネと立役者

 ドイツの再生可能エネルギーといえば、元連邦議会議員のヘルマン•シェーアを忘れることができません。志半ばにして、亡くなられたのはなんといっても残念でなりません。シェーアさんの死は、ドイツの、いや世界の再生可能エネルギーにとって大きな痛手となりました。

 国際エネルギー機関(IEA)に対抗する形で国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の設立に尽力されたのも、シェーアさんでした。

 以前、経産省の知人からドイツの再生可能エネルギーの立役者にヒアリングしたいと聞かれたことがあります。すぐにシェーアさんを挙げたのですが、経産省の官吏が社民党の政治家に会うわけにはいかないと返事がきました。何というやつらだと思いましたが、でもといって押しに押して会ってもらったら、後でたいへん感謝されたことがあります。

 日本の官僚自体が喰わず嫌いで、自国の利益のために働くのではなく、イデオロギーに凝り固まっていることがよくわかりました。

 ドイツでは、シェーアさんだけが再生可能エネルギーの立役者ではありません。各地に、それぞれの地元で再生可能エネルギーを牽引した立役者がいます。

 ドイツ南西部シェーナウでは、日本でもよく知られている市民電力会社のスラーデクさんご夫妻。

 ドイツ北東部のプレンツラウを風力発電の拠点の一つに育てたのは、エネルトラーク社です。その設立者がミュラーさんです。ミュラーさんは元々、東ドイツの原発建設のエンジニアでした。

 南西部のヴェルシュタットに立地する再生可能エネルギーのゼネコンJUWI社は、農民が共同で起業したスタートアップでした。

 ドイツ北西部のパーダーボルン地域では、1990年代中頃から風力発電が活発に拡大されています。その立役者がラックマンさんでした。ラックマンさんは元々は、IT関係のエンジニアでした。

 デンマーク国境沿いのドイツ北端で市民風力発電をはじめたクリスチャンセンさんも、忘れることができません。

 再生可能エネルギーで発電された電気の固定価格買い取り制度(FIT)の原案を考案したのは、ドイツ西部アーヘンの市民たちでした。

 こうした立役者が地元で住民をまとめ、再生可能エネルギーを市民の手で普及させたのでした。

 各地において再生可能エネルギーを市民の手で普及させる。そのためには、各地で市民をまとめて牽引する立役者も、重要な役割を果たします。

まさお

関連サイト:
地道な市民論
エネルギー選択宣言

2018年10月7日日曜日

レアメタルやレアアースによる再エネ攻撃に騙されるな

 最近、ぼくの加入しているMLに、レアメタルやレアアースを使う風力発電を攻撃する記事のリンクが回ってきました。従来通りの発電方法を支援する米国のエネルギー•シンクタンクが拡散しているものでした。

 レアメタルやレアアースを採取する中国において、それによって排出される放射性廃棄物の管理がずさんなので、被害が出ているという内容です。直接風力発電を批判しているわけではありませんが、放射性廃棄物を排出する物質を使う風力発電はいかんといっているのは明らかです。

 リンクの送り主は、この情報は正しいのかと聞いています。

 情報は、間違っていません。風力発電では確かに、レアメタル、レアアースが使われています。その採取によって放射性廃棄物が排出されるのも事実です。

 それなら、風力発電は原子力発電と同じように、止めたほうがいいのでしょうか。

 記事では、記事に書いていないことが問題です。それは、レアメタルやレアアースが他にどういうものに使われているかということです。

 レアメタルやレアアースは、たとえば太陽光発電にも使われます。ハイブリッド車や電気自動車にとっても、とても大切な材料です。省エネランプであるLEDランプにも必要です。これら環境エネルギー技術に欠かせないということです。

 また発電機にも必要なので、発電のすべての分野に使われています。原発では、制御棒に使われ、原発の安全を確保する上でも欠かせません。

 日常生活においても、たとえば液晶テレビやタブレットコンピュータ、スマートフォンなどにもなくてはならないものです。

 こうして見ると、現在使っている技術のほとんどに使われていることがわかります。
 
 ただ問題の記事は風力発電にしか触れず、「放射性廃棄物=悪い」という単純思考から、風力発電はいかんという方向に導こうとしています。

 ここで問題にされている放射性核種が天然放射性核種であることも、はっきり書かれていません。天然放射性核種は地球上に多種あり、これは太陽系が誕生したプロセスを考えると、地球上にあって当然なものなのです。そして、これら放射性核種の半減期はたいへん長いので、崩壊して安定することがありません。つまり、とても長い時間にわたって、放射性物質であり続けるということです。

 原発事故によって発生する核分裂生成物としての放射性物質と違い、天然放射性核種ではぼくたちの被曝量が少ないことも知ってほしいと思います。

 被曝の問題ばかりでなく、レアメタルやレアアースが中国から輸入される割合がとても高く、中国だけに頼っているのはいいことではありません。そのため、材料のリサイクルのほか、代替素材や代替技術の開発も活発に行われています。

 確かに放射性廃棄物が排出され、しっかり管理されていないのは問題です。だからといって、それだけでレアメタルやレアアースを使っているのはすべていかんというわけにはいきません。それでは、現在ぼくたちの恩恵を受けている技術が成り立ちません。

 これは、「放射性廃棄物=悪い」という単純思考で済む問題ではありません。その点をはっきりわきまえて議論しなければなりません。そのことを知ってもらい、自分自身では何かできるかも考えることが必要だと思います。

 ぼくは、フェアフォーンというスマートフォンを使っています。これは、フェアトレード基準に従って製造されたスマートフォンです。ぼくはそれによって、末端労働者が過酷な条件で酷使されていないことを願っています。

まさお